今回は行政書士試験のみならず、様々な法律系の試験でも重要な民法177条の“不動産に関する物権の変動の対抗要件”についての解説です。
初学者の方は特に、「“その登記をしなければ、第三者に対抗することができない”ってどういうこと?」って思いますよね(ちなみに私はそうでした…)。
民法177条の内容を具体例と結びつけながら理解していきましょう!
条文
民法 第177条 (不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
“不動産に関する物権の得喪及び変更”を具体例で考えてみる
“不動産”の例として土地や建物などがあります。また、その不動産に関する“物権”の例として所有権や抵当権などがあります。
◆ケース1(不動産に関する物権の得喪の例)
例えば、土地を持っているAさんがその土地をBさんに売ったとします。この場合、Aさんはその土地に関する物権である所有権を失い(“得喪”の“喪”)、逆にBさんはその土地の所有権を得ます(“得喪”の“得”)。これが“不動産に関する物権の得喪”の例です。
◆ケース2(不動産に関する物権の変更の例)
例えば、ある建物についてCさんが第一順位抵当権者、Dさんが第二順位抵当権者であるとします。CさんとDさんが話し合ってそれぞれの順位を入れ替え、Cさんが第二順位抵当権者、Dさんが第一順位抵当権者となり、抵当権の内容が変わりました。これが“不動産に関する物権の変更”の例です。
“その登記をしなければ、第三者に対抗することができない”を具体例で考えてみる
不動産に関する物権の得喪及び変更は、“その登記をしなければ、第三者に対抗することができない”と定められています。これはどういうことでしょうか?先ほどのケース1の例で考えるとわかりやすいので、ケース1の例を使って考えていきましょう!
先ほどのケース1と同様に、土地を持っているAさんがその土地をBさんに売ったとします。その際、Aさんは代金を受け取りましたが、「この土地は新しくBさんの土地になりました」という登記をしていませんでした。その後、AさんはEさんにも先ほどと同じ土地を売ってしまいました。
このような場合、BさんはAさんから土地を買うことによって土地の所有権を取得しましたが、そのことを第三者であるEさんに主張して対抗できるでしょうか?
結論、BさんはEさんよりも早く「この土地は新しくBさんの土地になりました」という“登記”をすれば、この登記を根拠にEさんに対抗することができます。
逆に、たとえAさんから最初にその土地を買ったのがBさんだったとしても、「この土地は新しくEさんの土地になりました」という登記が先にされた場合、BさんはEさんに対抗することができません。このように、不動産が二重に譲渡された場合、先に登記を具備した者が不動産の所有権を主張できます。
最後に
今回の解説では民法177条の基礎についての理解を深めていきました。実際の行政書士試験で出題される問題は非常に複雑なものが多いです。そのため、まずは今回学習した基礎をしっかり理解し、そのうえで過去問演習などを通して実践力を高めていってください!
※本記事は行政書士試験の学習用に、民法の条文の考え方をわかりやすく説明したものです。個別事案では結論が異なる場合があります。
